江之浦測候所(設計 榊田倫之さん)インタビュー
2019.03.26
大谷街道から細道に入ると、茶畑の向こうに茅葺き屋根の古民家が見えてきます。
ここは、江戸時代、大谷荒針村の名主であった渡邊家の邸宅で、
織造形作家の渡邊恵美子先生のお住まいです。先生にお話を聞きにうかがった日は、
手織り教室Mayaの生徒さんたちが個展の準備をすすめている最中でした。
「生徒さんたちとは、もう20年のおつきあいです。手づくりが好きな人ばかり。
お料理を作って持ってきてくれたりして、会うのを楽しみに続けてきた」と言います。
若い生徒さんには、「私も80歳を超えて、いつどうなるかわからないから
早めに頑張ってね」と声をかけるのだそうです。とは言っても、
織造形作家として創作への情熱は、ご高齢になってもまだまだ健在です。
アトリエの壁には、毛糸を立体的に造形した、大人の男性でも
持ち上げられないほど大きな作品が展示されています。
ふだんの柔和で優しい表情からは想像がつかないほどのエネルギーです。
また恵美子先生は、地域の児童にワークショップを開くことがあるそうで、
子供たちは学校の教室ではなく茅葺きの家の中で教えてもらうのを
とても楽しみにしているそうです。
「親しい人が集まっておしゃべりしたり、子どもたちが訪れたり、賑わいがあることで、
茅葺きの家も元気が出ると思う」と恵美子先生は話してくれました。
2021.01.21