大谷から生まれるアート谷口勇三さん

大谷から生まれるアート谷口勇三さん

およそ30年前、谷口勇三先生は、大谷街道から一歩入った所に「陶遊舎」というアトリエを構えた、芸術家として創作に励むかたわら、日展の活動に加え、アトリエで生徒に陶芸を教えている。「大谷にアトリエを構えたのは、たまたま縁があったから。この大谷の空気を30年間毎日吸いながら創作を続けてきて、最近、感じているのは、この町のもつ魅力を失わないように未来を作ること。それは、自然であったり、地下の空間であったり、街並みであったり、そういうものを人間本位の目線だけで捉えることに違和感があります。アートというのは、誰もが持っているワクワクした気持ちや豊かさを喚起するきっかけを与えるものです。今後、大谷はさらに注目され、開発されていくでしょう。でも、大谷が持っている他にはない魅力をアートの匂いを共存させながら発展していけたらと思います。天秤の向こう側の豊かさを忘れないで、という意味も込めて。その時の姿勢として、アートは芸術家だけがつくるものではなくて、もっと身近なもの。普通のものとして存在してほしいと思っています。」大谷町の人であれば、谷口先生と面識がある方も多いかもしれない。谷口先生は、会話しながらずっと和やかに笑っている。でも、その言葉の意味はズンと深い。

2020.07.17

陶遊舎 https://www.touyusha.com/

栃木県宇都宮市大谷町1032