石山の歌

石山の歌

昭和30年、大谷の石工たちの暮らしを描いた「石山の歌」(佐藤武監督)という記録映画が撮影された。
「石山の歌」とは、城山中央小学校で教鞭を取られていた音楽の先生が実際につくられた曲で、今でも城山中央小学校の第三校歌として歌い継がれている。
当時、小学生だった大谷の人たちに映画のシーンを観ながら昔を思い出していただいた。
昭和30年といえば、大谷では数百の採石場から石が盛んに切り出され、日本の高度経済成長の土台を築いていた時代である。
『映画に写っている自然の景色は、今とほとんど変わっていないね』『変わったといえば、こっぱ(石の粉)を積みあげたボタ山があっちこっちにあったね』。
こっぱは、舗装されていない道路の舗石や学校の校庭に敷きつめるために各地へ運ばれていったらしい。
緑の中に続く白い道。
子供達が走る白い校庭。
幻想的な風景を思い浮かべたくなるけれど、舗装されていなかった時代は大変だったにちがいない。
こうした思い出話を聞きながら、「石山の歌」という白黒映画の世界に色をつけたくなるひとときだった。

【写真】映画「石山の歌」(昭和30年佐藤武監督)

「石山の歌」についてはこちら

2019.03.26