宇都宮市より

INFORMATION宇都宮市より

鳥の高さで飛べば、木立と川に囲まれたこの小さな集落の風景がちょっと違うことに気づくかもしれない。普通であれば、針葉樹の森はツンツンしている、広葉樹の森はモコモコしている。それなのに、この地域の森は、箱庭か盆栽のよう。木々は岩の上に乗っかった苔のように不規則に並び、ところどころ岩肌が露出した崖も見える。

大谷石が採れる大谷町は、100年前も、50年前も、今も、日本を代表する石の町。昔は、石を運び出すための軌道が道に敷かれていた。屋号の旗を立てたトラックが列をなした時代もあった。やがて石という自然の材料が建築に使われなくなるにつれて、この町のにぎわいは減り、土ボコリもめっきり少なくなった。

それでも、大谷の町では今なお、石工たちが地球から石を掘り起こし、引き上げ、日本でいちばんの石切りの空間が広がっている。

「削っていて、おもしろく、飽きない石だよ、ほら。」
フランク・ロイド・ライトが設計した、旧帝国ホテルの移築と復元に携わった職人から、石を削る鍬を手渡された。ザッザッザッ、柔らかく鈍い手応え。砂糖を固めた干菓子をほじっている感覚。人の手によって掘りおこされた、採石場の巨大空間を眺め、圧倒されながら、そこにはザッザッという地球を削るおもしろさがあったのかなと思うとなんだかホッとしてくる。

大谷には石という宝物が眠っていた。採石した後の空間は、神殿のような美しさを放っている。そして、今、採石場の地下水や空気を使って新しい魅力が生まれようとしている。

大谷夏いちご、採石場に滲み出した冷たい地下水を使って、苗を冷やしながら育てる真夏のいちご。栽培は始まったばかり。甘酸っぱくて、懐かしい味。全国のケーキ屋さんから国産いちごがなくなる真夏の時期に絶品のいちごを届けたいという夢を持っている。ひんやりと湿り気があり、温度が一定に保たれる採石場の空間は、天然の熟成庫として注目されている。さつまいもを貯蔵して糖度を高めたり、ワインをじっくり熟成させたり、いつの日か、大谷は熟成の町と呼ばれるかもしれない。

大谷石には、ミソと呼ばれる古代の植物などが固まったと言われる茶色い部分がある。緑がかった鉱物もポツポツと入っている。小さな穴がたくさん空いていて、遠い昔の空気もこの瞬間の空気も吸い込んでいる。色も性質も違うもの同士が集まり、全体としてほのぼのとした温かみがある。

石も、町も、出会う人も、優しく柔らかい。
暮らす、過ごす、寄り道する。
石の町、石切りの町、大谷。

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